『ベジーAプラン』ついて

地球温暖化や気候変動によって生じる災害は遠い未来のことではなくなってきました。世界で最も有名な理論物理学者及び天文学者である故スティーヴン・ホーキング博士は2017年、ノルウェー・トロンハイムのスタームスフェスティバルで、「500年以内に地球は破滅する可能性がある」と人類に警告しました。

地球はエネルギーを急速に消費しているせいで、灼熱の火の玉になっていくと、博士は今までに何度も警告を発してきました。 「我々は回復不能な地球温暖化を促進している」とホーキング博士は述べました。しかし博士は悲観的ではなく、このようにも述べました。「気候の変動は重大な危機の一つであるが、人類が素早く対処すればまだ予防できる」。

スティーヴン・ホーキング博士などの科学者たちの予測や警告に対して、星雲大師は自身の意見を述べました。 「私たちはまだ過度に慌てる必要はありません。しかし、大げさな話だとして無視してもいけません。近代になって人類は 地球の資源を無制限に奪ってきたせいで、自然の逆襲が起こっています。世界中で地震、津波、洪水、旱魃、台風、火災、山崩れ、土石流などの災害が途切れることなく発生しています。地球は病んでいます。それは私たち人間の身体の病と同じなのです。人間の病に医療の緊急な手当が必要なように、地球の病にも人々の配慮と緊急な手当てが必要なのです。

地球はとても厳しい現状に直面しており、私たちは決して何もせずに傍観していてはいけません。自分の力が足りないと思って何もしないでいれば、私たちの子孫は、科学者が広大な宇宙の中で生存できる天体を見つけることを期待するだけになります。  「人類は絶滅に向かっています。これは私たち自身が招いているのです」。  問題の原因はすでに明らかですから、私たちはすぐに行動し、この状況を変え、災害から免れるために尽力できるはずです。

ですから、このような重大な時期に『ベジーAプラン』を提示するに至りました。宗教や健康面の理由からだけではなく、人類の生存に関する一大事なのです。 『ベジーAプラン』のには二つの意味があります。
一、Ace 優れた策:菜食は地球温暖化を緩和し、食糧危機を解決する優れた策です。(国連の最近の報告によると、気候の変動によって起きている重大問題を解決するキーポイントは、世界中の人々が菜食生活をすることとある。)

二、Action アクション:菜食は実際に行動しなければならず、口先だけではいけません,菜食を選ぶことで以下の5つの具体的な行動を支援します。
1.飢餓をゼロに Zero hunger:地球上では2.3秒に1人の割合で子どもが飢餓で亡くなっています。肉を食べる人1人が消費する資源で約20人から50人の菜食者が養えます。

2.地球温暖化を防ぐ Combat climate change:畜産業によって排出される温室効果ガスは全世界の18%を占めています。人類が排出するメタン(二酸化炭素の23倍の地球温暖化の可能性を含んでいる)の総量の37%とアンモニア(酸性雨の原因の一つ)の65%とが畜産業によるものです。更に、人類に関係して排出される亜酸化窒素の65%が畜産業によるもので、それには二酸化炭素の296倍の地球温暖化の可能性が含まれています。

3.生態系破壊を阻止する Halt & reverse land degradation & biodiversity loss:野生動物の生存と生息地を追い詰めている地球温暖化に加え、森林伐採、環境汚染、乱獲などにより、過去40年の間に地球の野生種の半分が消えていきました。2015年の学術雑誌『サイエンス』に発表された研究によると、気候の変動を阻止する行動を取っておかないと、地球の6/1の動物種が絶滅してしまうそうです。

4.地球環境を守る Sustainable consumption and production:国際連合食糧農業機関の新しい報告によると、畜産業は地球の面積の30%を占め、森林破壊の主要な原因になっています。例えば、アマゾン地域の森林の約70%が放牧地になっています。そのため、広範囲で土壌劣化が進み、砂漠化が蔓延し、多くの海洋生態系が破壊され、水質汚染や富栄養化やサンゴ礁の退化が進んでいます。

5.生命を大切に Ethical treatment of animals:畜産業は利益のため、動物虐待が常態化しています。オスのヒナは成長しても卵が産めないので、生きたままシュレッダーにかけられています。牛・豚・鶏は体の向きを変えることもできないほど狭い鉄の柵で覆われた中で飼育されています。鶏は体重を増やすための注射をされ、自分で両足を支えられないほど重くなっています。ガチョウは強制的に、肝臓が限界を超えるほどのエサを流し込まされます。それは高価なフォアグラを生産するためであり、当然、最後には残酷な屠殺が待ち構えているのです。

あなたが選ぶ食材が、第三世界で飢餓によって瀕死状態の子ども達の運命を決めるのです。また、それは虐待される動物数の増減に直接的に関わりますし、更には、地球がいつまで存在できるかにも影響するのです。 10年先に延ばせば、地球は永遠に居住できない星になってしまうかもしれません。行動を起す時ではないでしょうか。

肉食を少なくし、環境を保護し、資源を節約し、二酸化炭素の排出を減らすことから始めましょう。